初心者マークは、形が簡単で、色も黄色と緑だけのシンプルなものです。
なので、わざわざ買いに行かなくても、これくらいなら自分で適当に作ってもいいんじゃないの?って思うかもしれません。
確かに、すぐ作れそうですよね。
しかし、そこは細かい日本の交通法規。初心者マークは、実はそんな簡単に手作りできる代物ではありません。
初心者マークのサイズ・色は、法令でキッチリ定められている
初心者マークといえば、下がとがった葉っぱの形で、黄色が左で緑が右、というだけに思われるかもしれません。しかしあの形は、法令でサイズが厳密に指定されています。
初心運転者標識は、道路交通法規則において、以下のように定められています。
道路交通法施行規則 別記様式第5の2
1 縁の色彩は白色、縁線の色彩は黒色、地の左の部分の色彩は黄色、地の右の部分の色彩は緑色とする。
2 地の部分には反射材料を用いるものとする。
3 (抜粋)大きさは縦18.5cm、横11.6cm 他、サイズに関する詳細
色、材質、サイズが指定されています。
1.色
左が黄色で右が緑、というだけでなく、一番外側のフチは白、その間(縁線)は黒と定められています。
初心者マークは、この4色を使うことが定められています。色違いは当然NGなんですが、中の黄色と緑色以外の部分、つまり周辺部の白と黒も、守らなければいけないポイントです。
外側の部分ってのは普段はあまり意識されていませんが、一番外側の白いフチも、初心者マークを構成するためには欠かせない要素なんです。
2.材質
反射材料であることが条件とされています。暗いところで光が当たったときに、反射しなければダメなんです。
紙に蛍光ペンで色を塗った程度では、明るいかもしれませんが、暗いところでは反射しませんから、NGです。
自作するときは、色付きの反射材が必要になってきます。材質からそれなりに厳しい要件が課せられています。
3.大きさ、サイズ
サイズについては、縦18.5cm、横11.6cmと定められています。
大きいものや小さいものはNGです。
ミニサイズの初心者マークはダメ
市販されている初心者マークの中には、サイズ小さいものが売られていることがあります。
しかし、これは法令で定められたサイズではないため、初心者マークとしての基準を満たしていません。
つまり、ミニサイズの初心者マークをいくら貼ったとしても、正式に貼ったことにはならない(=初心者マークの違反で捕まる可能性がある)ということです。
もちろん、大きすぎるのもダメです。初心者マークを大々的にアピールすることはできるんですが、サイズが違うので正式な初心者マークとしては認められないため、捕まる可能性があるということです。
サイズ違い(ミニサイズ、特大サイズ)の初心者マークは貼る意味がないので、特段の理由が無い限りは、普通のサイズのものを選びましょう。
ちなみに、マークの形は、指定が細かいです。
下図は旧型の高齢者マーク(もみじマーク、枯葉マーク)の場合です。道路交通法施行規則では、ここまで厳密に指定されています。
見てのとおり、スミからスミまで指定されています。
全体の大きさ、線の太さ、そして曲がり具合まで指定されているので、法令の基準を満たしたものを作ろうとすると、全く同じ寸法のものが出来上がることになります。
また、他に模様や文字を入れることもできません。
法令の基準を満たしたマークを作ろうとすると、どうしても普通の初心者マークと同じ形のものにならざるを得ないんです。
自作は可能だけれども・・・
ネット上には、初心者マークを自作してみたという写真がたくさんあります。しかし、上記に照らし合わせて考えると、自作したもののほとんどが、基準を満たしていない「初心者マーク風」なものになります。
そもそも形状が違うとダメですし、形が完全に同じでも反射材を使ってなければこれまたダメですからね。結構厳しいです。
見た目は初心者マークっぽくても、基準を満たしていなければ、初心者マークを貼っていることにはなりません。警察に止められて、自作の初心者マークを咎められても、文句は言えません。初心者マークを貼ってなかった際の罰則は「1点 4,000円」です。
自作は可能ですが、意外と要件は厳しいですし、手間隙も考えると、100均などで買って貼り付けた方がベターでしょう。