高速道路の取り締まりで、最も多いのはスピード違反。次いで、インターやサービスエリア周辺道路での携帯・シートベルトの取り締まり。
これだけに気をつけておけば捕まらない・・・と思いきや、もう1つマイナー(?)な交通違反があります。通行帯違反です。
追い越し車線を走り続けた場合に捕まる違反
片側2車線以上の高速道路では、一番右側の車線は追越車線です。
追越するための車線なので、スピードの如何を問わず、追い越しもしないのに普通に走るのはアウトです。法定速度内で走っていても、追越しないのであれば、元の車線に戻らなければなりません。
追い越すわけでもなく、ただ空いているからと走っていると、通行帯違反で捕まります。
通行帯とは、いわゆる車線のことです。道路交通法では、片側2車線以上の道路における車線のことを、車両通行帯といいます。通行帯違反は、「必要が無いのに、追い越し車線という車両通行帯を走ってしまった」という違反です。
この違反を知らない人も結構多いようで、「スピード違反してないのに覆面に捕まった!」と憤慨する人もいますが、れっきとした交通違反です。
特に、高速道路ではスピード違反、シートベルト違反に次ぐ件数となっています。
平成26年のデータによると、
スピード違反 | 396,905 |
シートベルト違反 | 183,251 |
通行帯違反 | 82,459 |
結構多くの人が通行帯違反で捕まっています。
どれくらい追越車線を走り続けたら捕まるのか
上の青キップは通行帯違反で捕まったときのものですが、約2000m通行の文字が見えます。
捕まる目安となる距離は、約2kmと言われています。この間、追い越すわけでもなく、走行車線が空いているのにずっと走り続けていたら、アウトです。
2kmと言うと結構長そうですが、時速100kmで走っていれば、時間にしてたったの1分12秒。ボーっとしてたら捕まってしまいそうです。
捕まらないようにするためには
一番右側は、追い越すとき以外に走らないこと。これが原則です。
追越車線を走ることがあってもいいんですが、追い越しが終わったり、あるいは追い越しできないと判断した場合は、速やかに走行車線にちゃんと戻りましょう。必要なときだけ追越車線に出ていれば、問題はありません。
取り締まりは、覆面が追いかけて捕まえるケースがほとんどです。追越車線を走っていて後ろから車が迫ってきたら、なるべく早く譲りましょう。これは覆面でなくても、ですが。
ただ、捕まる原因の多くは、この違反を知らなかったことによります。こんな違反があることを知らなかったから違反してしまった、そして捕まった、ということです。「知らなかった」と言ったところで、捕まってからでは時既に遅しです。
通行帯違反の点数・反則金
違反点数:1点
反則金
普通車 | 6,000円 |
二輪車 | 6,000円 |
大型車 | 7,000円 |
小型特殊 | 5,000円 |
原付 | 5,000円 |
高速道路で路肩を走ると違反になるけど、これも通行帯違反?
高速で路肩を走ることはNGですが、これは通行帯違反ではなく、通行区分違反という、また別の違反になります。
点数と罰金も異なり、通行帯違反よりペナルティが重くなっています。
渋滞していようが、路肩を走るのはダメです。
通行区分違反(路肩走行)
違反点数:2点
反則金:9,000円(普通車)、12,000円(大型車)
原付や小型特殊は高速を走れないのに通行帯違反?
通行帯違反は、高速だけでなく一般道にもあります。
一般道も片側2車線以上の場合には一番右側が追越車線になるので、ここを走り続けることは通行帯違反・・・となるんですが、交差点で右折する場合は必然的に右側を走らないといけません。これは通行帯違反になりません。よって、単純に一番右側の車線を走っていたからといって通行帯違反になるケースはかなり稀なので、一般道で通行帯違反で捕まることは滅多にありません。
ただ、法令上は、高速と同様に一般道も通行帯違反の対象になっているので、右折が無いのにずーっと走り続けると捕まるかも。かも。
実際に一般道で捕まることはまずないにしても、違反の1つであることは間違いないので、知っておいて損はないですよ。