交通違反で捕まってしまった!罰金も払わないといけないし、困った。何とかならないのかなぁ。
そうだ、揉み消しとかできるんじゃないの?警察の偉い人に知り合いがいて、その人にお願いしたら何とかしてくれるんじゃ・・・
・・・と考えたことのある人は結構いるんじゃないでしょうか。筆者もそうですw
実際、揉み消しってできるんでしょうか。
Contents
警官に頼んで揉み消してもらうことは可能?
「交通違反をもみ消した」というニュースがあるにはあるので、実際に揉み消しが行われることはあるようです。
警部補3人書類送検 上田署員 違反5件もみ消し疑い
係長(47)の送検容疑は、2014年7月と15年7月、他の上田署員と共謀し、計4回にわたって県警本部や上田署の警察官が捜査車両で速度超過をしたのに反則切符を切るなど必要な手続きをせず、違反を記録した文書を隠した犯人隠避と証拠隠滅の疑い。係長(58)の送検容疑は、15年7月、別の上田署員の速度超過を見逃し、違反を記録した文書をシュレッダーで破棄した犯人隠避と証拠隠滅、公用文書毀棄(きき)の疑い。
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20161021/KT161020FTI090018000.php
がしかし、これは身内に甘いとされる警官の不祥事であって、赤の他人のために警察官が違反の揉み消しを行うことは、無いと思っておいたほうがいいでしょう。当たり前ですがね。(^^;
ちなみに、上記のニュースでは
上田署員が県警の警察官の道交法違反(速度超過)をもみ消していた問題で、県警は20日、計5件のもみ消しが判明したとし、犯人隠避などの疑いで男性警部補3人の書類を長野地検に送った。県警は同日、3人のうち2人を停職6カ月の懲戒処分、1人を本部長注意とした。停職の2人は同日付で依願退職した。5件の取り締まりに関わった当時の他の上田署交通課員や、違反をもみ消してもらった警察官ら13人も本部長訓戒などとした。
ということでクビになってます。(依願退職ですが)
自らのクビをかけてまで、このように違法な揉み消しをやってもらうというのは無理な話です。
その場で警察官にお金を払ったら何とかしてくれないの?
捕まったその場で、「現金払うからこれで何とかしてよ、キップとか点数なしにしてよ」って思ったことありませんか?
これは賄賂です。ワイロ。これをやってしまうと、贈賄(申し込み)容疑で現行犯逮捕されます。実際に逮捕された事例もあります。
江戸時代の悪代官ならこれでよかったかもしれませんが、今の時代ではさすがに・・・。(海外ではそれが通る国もあるようですが・・・)
合法的な方法
合法的な方法を考えましょう。
「もみ消す」というと言葉が悪いですが、結果的に「違反をしなかったことになる」パターンはいくつか存在します。
揉み消しでなくても、冤罪で捕まってしまった場合はキッチリ取り消してもらわなければいけませんから、それも含めて考えてみましょう。
1.決定的瞬間を掴ませない
交通違反で捕まえるためには、所定の取り締まり方法に則ったやり方で違反を捕まえないといけません。何となくスピードが出ていたから、では捕まりません。ネズミ捕りだったり後方からの追尾だったり、所定のやり方で違反の決定的瞬間を押さえる必要があります。
しかし、決定的瞬間を押さえることができなかったら・・・。そんなときは、警察に止められた、あるいは警告されても、その注意だけで終わることがあります。
例えば、高速道路を走っていて、後ろから覆面パトカーが近づいてきた場合。
カーブの多い道路では、必ず同じ車線で後ろから一定距離を追尾しなければなりません。しかし、車の流れによっては、間に他の車を挟まれたり、追い越し車線に出たり入ったりで真後ろを走ることができないことがあります。所定の取り締まり方法である一定距離での追尾ができない状態です。
このとき、覆面パトカー側からすると、目の前にスピード出してる車がいるけれども、測定できる状況にならない、取り締まりたいけど取り締まれない状況です。
そうこうしているうちに、前の車が詰まってしまいスピードが出なくなった。こうなるともう捕まえることはできません。
そんな場合、赤色灯を光らせ、「スピード落として~」と警告だけで済まされることがあります。マークして追いかけていったけど捕まえ損ねた、っていうケースは結構あるようなのですが、そんなときはピカッと光らせて驚かしてくれます。
光ったからと言って必ず捕まるわけではありません。そもそも速度が測れていないわけですから・・・。
2.青キップを切られたけどサインしなかったパターン
交通違反で捕まった、これにはサインしなかったらどうなる?
青キップは、「交通違反の反則金を納めるのでコレで裁判はなしにしてください」という役割のものです。が、もう1つ大事なポイントがありまして、「私は違反したことを認めます」という書類にもなっています。
つまり、青キップにサインすると言うことは、「違反したことを認め、反則金を納めます」という書類にサインをすることになります。違反を自認することになるんです。
なので、「違反してないのに捕まった!おかしい!」なんてときは、青キップへのサインを拒否することは正当な意思表示と言えます。特に、冤罪と思われる場合は、ここで拒否しないと違反を認めてしまうことになってしまうので、サインしてはいけません。が、捕まえた警官の側は、面子もあるので、何としてでもサインさせようとしてきます。とにかく時間をかけて説得してきます。
しかし、納得できない場合は、頑としてサインを拒否しましょう。この場合、調書が作られ、最終的にはサインのない青キップが交付されることが多いです。(もし、説得に負けてサインしてしまっても、冤罪だと思えば次の段階で否認することができます。詳しくは次の3のパターンにて)
その後、反則金を払うよう納付書が送られてきますが、違反を認めていないのであれば払う必要はありません。で、そのまま無視していると、何回か納付書が送られてきた後、今度は検察への出頭要請が送られてきます。これは無視してはいけません。違反をもみ消す・・・じゃなくて、大事な弁明の機会です。
検察に出頭して、違反についてあれこれ聞かれます。その後、検察が起訴するかどうかを決めます。
3、青切符にサインしたけど反則金を納めなかったパターン
取締りのその場ではサインしたけど、納得できない・・・と反則金を納めなかった場合。これは上記2の場合と同じになります。
納めなかったら利息がどんどん膨らんで大変なことになるんじゃ・・・ってことはありません。一応、請求額はちょっとずつ増えてきますが、最終的に不起訴になればゼロですからね。
で、上記2と同様、納付書が何回か送られてきた後、出頭要請が送られてきます。これにはちゃんと応じましょう。
最終的には、上記2の場合と同じで、検察が起訴するかどうかにかかってくるんですが・・・実際のところ、起訴される確率は0.1%もありません。つまり、ほとんどが不起訴になっています。
ほとんど裁判にならない?青キップは不起訴率99.9%
出頭要請で検察に出向いた後、「裁判になる場合は検察か家庭裁判所から通知が行きます」のように言われるのですが、その後通知が来る(起訴されて裁判になる)可能性は、統計データから調べてみると0.1%もありません。
データは、法務省の検察統計統計表から見ることができます。該当するデータは「検察庁別 道路交通法等違反被疑事件の受理,既済及び未済の人員」です。
これによると、2015年(平成27年)は、起訴が78件、不起訴が110,364件。ここから起訴率を計算すると
78/(78+110,364)×100=0.07%
なんと、1%どころか0.1%もないんです。99.9%以上が不起訴ということです。
ただ、0ではありません。悪質なものは、やはり裁判になっているのではと思われます。
このデータからどう判断するかは個々人によるところですが、冤罪だ!という確信があるなら、サインを拒否して堂々と戦うのもアリでしょう。実際、年間でのべ11万人以上の人が不起訴を勝ち取っているわけですから。
「揉み消し」と言うよりは、「やってないものはやってない」という主張を通す、ということですが、「不起訴=違反はなかった」ということになります。
ただ、この確率だと、もみ消しになっているものがあってもおかしくはないなぁ、という気はします。
略式裁判を選ぶ意味はありません
検察に出頭した際、略式裁判をするか、否認して正式裁判をするかを聞かれることがあります。この場合、略式を選ぶ意味は全くと言っていいほどありません。
略式裁判は、ほぼ100%負けるだけの裁判です。弁明する機会は与えられませんから、自動的に有罪になり、そのまま罰金刑になります。罰金の額は、反則金と同じくらいの額になります。略式を選ぶくらいなら、最初から青キップにサインして反則金を払った方がマシです。
略式裁判は検察側の手続きが簡単なので、しきりにすすめてくることがありますが、そもそも検察の手間を省くためにやってるんじゃありませんからね。違反していないなら、しっかり「正式裁判をする」と主張しましょう。全てが水泡に帰します。
ドライブレコーダー等で防衛するのも1つの手
警察も人ですから、誤って捕まえることもあります。ムッときますけどね。
筆者も何回か誤認で止められたことがあります。シートベルトや携帯など、その場ですぐ潔白が証明できるものならいいんですが、一旦停止やスピード違反になると、なかなか警察も簡単に引き下がってくれません。
そんなとき、ドラレコで自己防衛しておくと、冤罪を防ぐのに非常に役に立ちます。
警察に止められると、「もしかして自分やってしまったかも?」って思ってしまうものです。どうしても弱気になってしまいます。
でも、「いや、そんなことはしていないはずだ」と思ったなら、そう主張するべきです。ドラレコは、そんなときに役に立ちます。
ユピテル(Yupiteru) 衝撃センサー/GPS/HDR搭載 スマートフォン連動ドライブレコーダー DRY-WiFiV3c
ドラレコはレーダー探知機以上にメーカーや種類があって、どれを選んだらいいか分かりにくいんですが、筆者のオススメはレーダー探知機でおなじみのユピテルのドラレコです。
GセンサーやGPS、高画質なHDR対応などの基本性能はしっかりしていますし、スマホで操作できたりと便利なんですが、このモデルは形状が横長で、視界を妨げにくいのが一番のポイントです。
ドラレコってフロントウィンドウに貼り付けるものなので、視界を妨げる形のものが多いんですよね。この形なら、ミラーの後ろに設置すれば綺麗に隠れますし、視界を遮りません。ここ重要。amazonでも売れ筋モデルのようなので、迷ったらこれがオススメです。
結局のところ、警官に頼んで揉み消すことはできないけど、不起訴は狙える・・・かも
残念ながら、そんな裏技はありません。当たり前ですが。(^^;
警官は、捕まえた以上は、何とかして違反を認めさせようとしてきます。賄賂を受け取るような警官もいません。警官に頼んで揉み消すのは不可能です。
もしかしたら揉み消してくれる警官もいるのかもしれませんが、仮にいたとしても、その警官に当たるかどうかは運次第ですし、これだけネットで誰でも情報発信できる時代ですから、そのうちニュースになります。
ですから、揉み消すのではなく、「取締り方法のポイントを押さえる」「冤罪はちゃんと否認する」などで、自己防衛を図る方がいいでしょう。
あ、検察での不起訴は、揉み消しじゃなく、自己防衛ですからね。(^^)
揉み消しではないけれども、見逃してもらえることも・・・
ちょっと古い話ですが・・・
その昔、初心者マークを貼り忘れていたとき、検問に引っかかってしまい、警官から「初心者マークは?」と聞かれたことがありました。当時、ボンネットの上に貼っていたんですが、洗車の際に取り外してそのままになっていました。
あっ、やべ、忘れてた、と思ったんですが、とっさに出た言葉は
「あれ、ここに貼ってあったんですが・・・」
そして、うっすら跡が付いている箇所を指し示すと
「ちゃんと貼っておいてね」と見逃してもらえました。
軽微な違反で、実際に貼ってあった跡もあったから?それとも警官の気まぐれ?
真相は分かりませんが、見逃してもらえました。10年以上昔の話ですけどね。
今でもコレが通用するかどうかはわかりませんし、たまたまラッキーだったんだとは思います。が、この例から、見逃してもらう確率を上げるコツはあります。それは、喧嘩しないことです。
違反しているのが明らかなのに、そこで反論してしまうと、警官もムキになってしまうので、最初は「軽微だから見逃そう」と思っていたとしても、「ムカつくからやっぱり捕まえてやろう」になってしまいます。
違反してないのに止められた場合は、「違反していない、冤罪だ」と反論・否認するのが大事ですが、違反が明らかな場合は、低姿勢で大人しく反省の意を示した方がプラスになるでしょう。