飲酒運転してて、スピード違反で捕まった!
複数の交通違反を同時に行ってしまった場合、通常であれば、点数は「高い方」だけで計算されます。
例えば、20キロオーバーのスピード違反(2点)とシートベルト違反(1点)を同時にした場合であれば、点数の高いスピード違反(2点)だけで計算されます。
しかし、飲酒運転は別です。通常の違反とは異なり、飲酒運転(酒気帯び運転)時のスピード違反の点数が適用になります。飲酒運転時ですから、通常の点数に比べ、点数が一気に大きくなっています。
通常のスピード違反は、超過速度に応じて、点数は1~12点。仮に100キロオーバーで捕まったとしても、12点。一発免停ですが、一発取消まではありません。(累積や前歴がなければ。)
一方、飲酒運転時のスピード違反は、14点~25点です。一発免停は確実で、前歴や違反状況によっては一発で免許取り消しになる点数です。
飲酒運転の種類によって点数が異なる
飲酒運転には3種類あり
- 酒酔い運転(泥酔)
- 酒気帯び運転(0.25mg以上)
- 酒気帯び運転(0.15mg以上0.25mg未満)
この3段階があります。2と3の違いは、呼気1リットル中のアルコール濃度の違いです。数値が高いほうが、酔いの程度がひどい(=罰則が大きい)です。
1.酒酔い運転時のスピード違反の点数
酒酔い運転でのスピード違反 35点
飲酒運転の中でも最もひどい(酔ってる)のが、酒酔い運転です。
この場合、スピード違反の超過速度の大小を問わず、点数は一律35点。一発で免許取消です。
2.酒気帯び運転(0.25mg以上)時のスピード違反
酒気帯び運転(0.25mg以上)のスピード違反 25点
こちらも超過速度の大小にかかわらず、一律で25点。こちらも一発取消です。
3.酒気帯び運転(0.15mg以上~0.25mg以上)時のスピード違反
酒気帯び運転(0.15mg以上~0.25mg未満)のスピード違反 14点~19点
超過速度によって14点~19点となります。
14点なら、前歴や累積がなければ、ギリギリ免停ゾーン。90日間の免許停止処分になります。しかし累積が1点でもあると15点以上となり、免許取り消しになります。
酒気帯び運転時のスピード違反の点数一覧表
速度超過 (単位はkm/h) |
通常の点数 | 酒気帯び点数 0.25mg以上 |
酒気帯び点数 0.15~0.25mg未満 |
---|---|---|---|
50以上 | 12 | 25 | 19 |
30(高速40)以上50未満 | 6 | 25 | 16 |
25以上30(高速40)未満 | 3 | 25 | 15 |
20以上25未満 | 2 | 25 | 14 |
20未満 | 1 | 25 | 14 |
違反点数と免停期間
14点以上となると、最低でも90日免停です。それ以上は免許取り消ししかありません。あと1点で免許取り消しなので、飲酒運転時のスピード違反は、免許取り消しになる可能性が非常に高いです。
免停 期間 |
30 日 |
60 日 |
90 日 |
120 日 |
150 日 |
180 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
前歴 なし |
6~8点 | 9~11点 | 12~14点 | 免許取消 | ||
1回 | 4~5点 | 6~7点 | 8~9点 | 免許取消 | ||
2回 | 2点 | 3点 | 4点 | 免許取消 | ||
3回 | 2点 | 3点 | 免許取消 | |||
4回 | 2点 | 3点 |
免許取り消しになったらどうなる?
取り消し。つまり、免許証がなくなってしまいます。再び車を運転するためには、免許を取り直さなければなりません。
また自動車学校に通って学科を受けて・・・ということになりますが、すぐに取り直せるわけではありません。
免許停止になってしまうと、欠格期間があり、この間は免許を取ることができません。
欠格期間は、飲酒運転の種類によって長さが異なります。酒気帯び運転は一般違反行為、酒酔い運転は特定違反行為に分類されています。
免許取り消しの欠格期間(一般違反行為:酒気帯び)
前歴 | 欠格期間 ( )内の年数は運転免許取消歴保有者(※) | ||||
---|---|---|---|---|---|
1年 (3年) |
2年 (4年) |
3年 (5年) |
4年 (5年) |
5年 | |
なし | 15点~24点 | 25点~34点 | 35点~39点 | 40点~44点 | 45点以上 |
1回 | 10点~19点 | 20点~29点 | 30点~34点 | 35点~39点 | 40点以上 |
2回 | 5点~14点 | 15点~24点 | 25点~29点 | 30点~34点 | 35点以上 |
3回以上 | 4点~9点 | 10点~19点 | 20点~24点 | 25点~29点 | 30点以上 |
免許取り消しの欠格期間(特定違反行為:酒酔い)
酒酔い運転は特定違反行為として、一般違反行為よりもペナルティが重くなっています。
前歴 | 欠格期間 ( )は運転免許取消歴保有者 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3年 (5年) |
4年 (6年) |
5年 (7年) |
6年 (8年) |
7年 (9年) |
8年 (10年) |
9年 (10年) |
10年 | |
なし | 35点~39点 | 40点~44点 | 45点~49点 | 50点~54点 | 55点~59点 | 60点~64点 | 65点~69点 | 70点以上 |
1回 | ‐ | 35点~39点 | 40点~44点 | 45点~49点 | 50点~54点 | 55点~59点 | 60点~64点 | 65点以上 |
2回 | ‐ | ‐ | 35点~39点 | 40点~44点 | 45点~49点 | 50点~54点 | 55点~59点 | 60点以上 |
3回以上 | ‐ | ‐ | ‐ | 35点~39点 | 40点~44点 | 45点~49点 | 50点~54点 | 55点以上 |
免許を取り直すときは、この欠格期間を満了した後でないと、取ることができません。酒気帯びなら最低2年、酒酔いなら最低3年は取ることができなくなります。
再び免許を取るためには、この欠格期間を満了することと、取消処分者講習を受けることが、要件になります。
罰金はどれくらい?
飲酒運転だけで捕まるのとほぼ同じですが、実際のところ、初犯では20~30万円となるケースが多いようです。
スピード違反が重大・・・というよりは、飲酒運転が重大な違反なので、このような大きなペナルティになります。