車の運転上、支障があるからということで、サンダルやスリッパでの運転はダメとされています。
でも、サンダルで運転している人も多いし、捕まってるのもあんまり聞かないし、クロックスはセーフって聞いたことがあるとか、諸説あります。筆者はクロックス履いて運転してますが、これで捕まったことはありません。
実際、どこまでがアウトで、どんな靴ならセーフなのか、一覧にまとめました。
Contents
アウトな靴
下駄、サンダル、スリッパ、ハイヒールはアウトです。これを履いて運転したら違反になります。
セーフな靴
草履、かかとの紐のあるサンダル、ビルケンシュトックのような鼻緒状のサンダルは、セーフなんです。
中には、「え?これセーフなの?」と思うものもあるかもしれませんが、実際に道路交通法の施行規則において、セーフな靴(運転時に履いていても違反にならない)とされています。
下駄はアウトなのに、なぜ草履はセーフ?
運転時の履物に関しては、道路交通法にて、車両等の運転者が守らなければならない事項として定義されています。
道路交通法
(運転者の遵守事項)第七一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
六 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項
ただ、ここには「危険を防止し、その他交通の安全を図るため」というだけで、どの靴がセーフでどの靴がアウトかまでは書いてありません。具体的には、各都道府県の施行規則にて詳細に定められています。
都道府県によって言い回しは異なるのですが、実際にはほぼ横並びです。
宮崎県道路交通法施行細則
第12条 法第71条第6号の規定により、車両等の運転者が遵守しなければならない事項は、次の各号に掲げるものとする。
(7) げた、スリッパ、つっかけ、ハイヒールその他運転操作を妨げるおそれのある履物を履き、又は運転操作を妨げるような方法で履物を履いて、車両(軽車両を除く。)を運転しないこと。
違反になる履物として「げた、スリッパ、つっかけ、ハイヒールその他」という風に取り上げています。
山梨県道路交通法施行細則
第十条 法第七十一条第六号の規定により、車両等の運転者が守らなければならない事項は、次の各号に掲げるとおりとする。
三 げた、足に固定しないサンダル、スリッパ等運転操作を妨げるおそれのある履物を履いて自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。
「げた、足に固定しないサンダル、スリッパ等」と定義しています。ちょっと言い回しは異なりますが、想定しているものは大体同じです。
運転時に違反とされる靴は、「ブレーキ、クラッチの操作に際して、履物自体の形状等から操作に支障となるおそれのある履物および足から離脱して操作に誤りを招くおそれのある履物」とされています。
一般的には、
- 足に対して定着性を有しないもの
- 柔軟性(感覚性)のないもの
- その他操作に支障のあるもの
これらが判断基準になります。
サンダル(つっかけ)
夏場に重宝するサンダル。つっかけと呼ばれることもありますが、一般的にサンダルでの運転はNGです。
サンダルは鼻緒がなく、スポッと抜けやすいことから、定着性に欠け、運転操作を妨げるおそれがあるとされています。
しかし、かかとを止める装置があり、足に定着した状態にしたものは該当しないとされています。
つまり、クロックスの場合、かかとを固定すればセーフ、かかとを使わなければアウトとなります。
また、サンダルの中でも、ビルケンシュトックのように鼻緒状になっているものは、草履と同様にセーフとされます。
ハイヒール
ハイヒールは、足に対する定着性、柔軟性という点ではOKなんですが、問題はヒール、かかとです。
かかとが高いと、必然的に運転の障害となり、運転操作を妨げるおそれがあるとされています。
ヒールの高さが8センチあるかないかが、ハイヒールの基準とされています。8センチ以上のヒールは、アウトです。
かかと4センチ以下のローヒールはセーフなので、普通に運転してOKです。
草履
サンダルや下駄と一緒でダメじゃないの?と思われそうですが、実はセーフな履物です。
「鼻緒により定着性を有し、底も平らで、かつ、柔軟性も適当である」というのがその理由です。下駄は木なので硬くて柔軟性はありませんが、草履は柔らかいですからね。その点はかなり大きいポイントです。
また、クロックスのサンダルはかかとが必須ですが、草履はかかとがなくてもいいんです。鼻緒だけで定着性を有していると考えられているためです。(クロックスのつま先部分は、言ってしまえばスリッパと同等ですから、どうしてもかかとが必要なんです。)
但し、女性が使用するような厚底の草履の場合は、運転感覚に乏しく、浅く鼻緒にかけている程度の着用が多いことから、厚底の草履はNGとされています。
裸足
靴を履かない場合、
- 足に対して定着性を有しないもの
- 柔軟性(感覚性)のないもの
- その他操作に支障のあるもの
これらについて何の問題もないため、裸足で運転することがNGとはなりません。
「裸足の場合、事故があったときに車外にすぐ出られない(裸足で外を歩くのは危ない)」という理由で、裸足での運転をよしとしない考え方はあります。
しかし、その昔、裸足でマラソン走る人もいましたから、裸足だから即ダメってことにはなりません。
靴下で運転する場合も同様です。
履物の指定・解釈は都道府県によって異なることも
どの履物が具体的にダメかは、各都道府県の施行規則にて詳細に定められています。
この施行規則の言い回しは都道府県によってばらつきがあるため、同じ靴であってもアウト・セーフの解釈が別れる可能性がありますが、大体は上記の基準となります。
つまり、
- 足に対して定着性を有しないもの
- 柔軟性(感覚性)のないもの
- その他操作に支障のあるもの
これらのポイントさえクリアしておけば、セーフです。
違反した場合の罰則 点数、反則金
運転に支障のある靴を履いての運転は、安全運転義務違反となります。
違反内容 | 違反点数 | 反則金 |
安全運転義務違反 | 2点 | 9,000円(普通車) |
意外と大きいです。
例えば、シートベルトの違反は1点で反則金0円、それに比べると、履物の違反時の罰則は大きいんです。甘く見てはいけません。
サンダルでもいい!
下駄がアウトで草履はセーフ?ってのが釈然としないかもしれませんが、柔軟性や定着性が判断基準なので、ゴム製のサンダルは、形状によっては十分セーフになる履物なんです。
ただ、サンダルで運転する場合は、スリッパ状ではなく鼻緒状のサンダルを履くか、クロックスであればかかとの紐をちゃんと使って運転するようにしましょう。